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教皇大使挨拶 2006.5.7 於:桜町教会

 親愛なる神の民の皆さん,特に司教様,司祭方そしてキリストにおいて一致している皆さん,今日聖母マリアの被昇天に捧げられているこの教会で皆さんにお会いできるのは大きな喜びです。
 まず,私を高松教区に招いてくださった溝部司教様に心から感謝しております。教区に滞在し,皆さんと一緒に祈ること,司祭・修道者・信徒の皆さんと対話できること,皆さんに会い皆さんを知るということは心からの喜びです。
 私は,教皇ベネディクト16世の代理として参りました。全世界に行き渡る教会の牧者でいらっしゃる教皇は,全ての国にある教会について知りたいのです。教皇は本当は皆さんに会いたいのです。どんな司牧活動をしているのか,どんな困難に直面しているのか知りたいのです。79歳の高齢でいらっしゃる教皇ご自身は全ての国を訪問することができないために,代理を派遣します。それはカトリックの国だけでなく,全ての国々にです。今140の国々に代理が派遣されています。イエズス・キリストの教えに従って生きるこの国の中で,神の国の建設に励む司教・司祭・修道者・信徒の皆さんに対して,教皇が共に歩んでいらっしゃることを伝えるのは,教皇大使としての日本での私のミッションです。皆さんの近くにいたいのです。信仰と祈りの内に溝部司教様と一致し,こんなに多く集う皆さんを見てうれしく思います。違った道を歩んでいる方々,違う国々の方々がこうして集まることによって,私たちはキリストへの信仰,イエズス・キリストの教会における一致を強く証することになります。
 聖ペトロの後継者でローマ司教でもいらっしゃる教皇ベネディクト16世は,キリストの代理者として教師・牧者・司祭でいらっしゃいます。教会全体の牧者です。教皇のもとで神の民である教会は一致します。私たちが神の教えを理解し,その教えに忠実に従って生きることができるように,教皇は教会を導き守ってくださいます。キリストの教えを理解し,毎日の生活に反映する方法を見つけるのを助けてくださいます。教皇のリーダーシップに従うならば,私たちもイエズス・キリストとともにとどまり,教会の一致と完成に貢献できます。
 この第1回の司牧訪問の間,私は教区のいくつかの教会に行きます。すべてには行けませんができるだけ行きます。そしてその信徒に会います。また司祭と修道者にも会います。それぞれの集まりを通して,皆さんが使徒職の中でどのように信仰を証しているか,周りの人の必要にどう答えているかを,わかることができます。
 今日は特にこのように障害を持った方々が集まっていらっしゃることは,とてもうれしく思います。教皇の集まりにも,必ず障害をもった方々がいらっしゃいます。皆さんの愛の深さの印の一つだと思います。とてもうれしく思います。
 ベネディクト16世教皇の第一目の回勅「神は愛である」の中で,社会における教会の慈善業の大切さについて書いております。引用します。「過去においてもしていたように,今日の教会は助けをいただいたり,与えたりする神の家族のいる場所であり,その教会の外にいる人であっても,助けを必要としている人誰にでも仕えるところです。祈りと礼拝と同時に,子供の教育,障害を持つ人の世話,病気の人や老人の世話,貧しい人,家のない人を助けることが,教会の命とミッションの大切な部分です。このような活動を通して,神の愛をたくさんの人に運びます。そしてキリストとともにこのような活動を行うならば,キリストは力を与えてくださるし,私たちを導きます。」マタイ25章には,他人を助けた人に対してのイエズスの言葉があります。「はっきり言っておく。わたしの兄弟であるこの最も小さい者の一人にしたのは、わたしにしてくれたことなのである。」
 今日特にこのミサを皆さんと一緒にする大きな喜びの一つは,良き牧者の福音を読む日曜日で特に全世界の召命のために祈る日曜日であるということです。本当に司祭の召し出し,修道者の召し出しのために祈らなければならないのです。特にこの日本の若い人の中で,イエズスに自分を捧げていく若者がありますように祈っています。
 復活節中,私たちは復活したイエズスに祈ります。私たちと家族一人一人が復活の恵みで満たされますように。復活されたキリストが悲しみを慰め,お互いの愛を深めさせ,永遠の命への希望を与えますように。皆さんありがとうございました。神の祝福を。

(Srギリスが同時通訳されたものを聞き取り)